アンビエント音楽と突然変異に見る儚い瞬間「Varigate, Variegated」:Matthew D. Gantt

激しく荒れるグリーンハウスの中で

いきなり現れるのはドーム型のグリーンハウス。そのグリーンハウスの中では、激しい風に吹き付けられる木々が枝を大きく揺らしています。この中に入ってみましょう。

ドームは頑丈な鉄骨で構成されているようです。中に近づくにつれて、アンビエント・ミュージックが聞こえてきます。

強い風になびく木々の合間から顔を出すのはスピーカーのようなネオンライト。それに呼応するかのように、いろいろな音色が次々と生成され不思議な調和を生み出しています。

激しい環境とは裏腹に、グリーンハウスの外側では縞模様の球体が周回しながらこの不思議な温室を見守ります。

生成を続ける電子音楽

アーティストのMatthew D. GanttさんによるAR作品「Varigate, Variegated」では、バーチャル上のグリーンハウスの中で緑豊かな植物とアンビエントな電子音楽が創り出す不思議な空間を体験できます。

アンビエント・ミュージック、いわゆる環境音楽は、伝統的な音楽の構成やリズムよりも音色や雰囲気を重視した音楽のジャンルで、作曲家のブライアン・イーノが開拓したと言われています。

アーティストは、アンビエントの開拓者イーノが提唱するジェネラティブ・エレクトロニック・ミュージックの概念、つまり音が生成される仕組みや構造を参考に、この独特なグリーンハウスを構想しました。

トップダウンのように一方的な指示のもとに構成される音楽ではなく、ボトムアップのように自発的に積み上がっていく不思議な電子音の遊びは、時間と共に変化しループしていきます。

予測不能なものが生み出す儚い瞬間

自発的に生み出されていく電子音楽は、偶発的な音の重なりを生み出します。そこに生まれる「儚い瞬間」にアーティストは注目しました。これは植物に時々起こる突然変異にも共通するものです。この作品は、その予測不能性をテーマとして扱っています。

頑丈な構造から抜け出し、予測されるフィナーレのない自律性を持った電子音とそのビジュアルは、AR体験を通して現実とバーチャルの間で私たち鑑賞者にその「儚い瞬間」を見せてくれるでしょう。

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Edited by SASAnishiki