体験レポとは
本シリーズは我々STYLY取材班が様々な超常的かつ非日常的な体験をしに行き、多岐にわたる文化やサブカルチャーをお届けする体験型レポートシリーズである。
今回は、何かとストレスを感じることが多い現代社会において、野生の本能をむき出しにして解放することができるサービスを紹介する。
部屋中のものを壊せたり、斧を投げたり、好き放題に落書きしたりと、普段はなかなかできない「やってはいけないこと」を合法的に行える施設「REEAST ROOM 池袋店」を取材した。
いざREEAST ROOMへ入店
お店に入ると壁一面にカラフルなグラフィティが施されているという、かなりサイケデリックな空間が出迎えてくれた。
今回体験するのは部屋を破壊するBREAK ROOMと斧投げ体験をできるAXE THROWING®︎の二つ。
二階に上がり受付を済ませ、始めにBREAK ROOMから体験することになった。
早速ぶっ壊しにいく
専用の安全靴、グローブ、ヘルメット、つなぎを着て部屋に移動する。
部屋に入ると過去に破壊された残骸と、いかにも壊してくださいと言わんばかりの品物が用意されていた。
早速武器を選んで破壊開始!バットやバールといった武器が並んでいる中から、初期装備は鉄パイプを選択。
夜道で遭遇したらトラウマになりそうなビジュアルをしている。
ここからは詳しい説明などは必要ないだろう。
野生の本能に従い、全てを破壊するのみ……。
叩いて!叩いて!破壊する!
普段抑えられている暴力性をむき出しにして何かを破壊する体験は、脳から何かしらの汁が湧き出てくるようだ。
人型のサンドバッグも用意されているので、嫌いなアイツやむかつく上司を想像しながらボコボコにするもよし。
鉄パイプは卒業、いざ斧投げへ……。
BREAK ROOMを終え、少し休憩したら次はAXE THROWING®︎体験へ。
階段を上がると斧投げ会場とご対面。
的を外れた斧の跡と思しき傷や、木屑が敷き詰められた骨太な場所に、心が躍る。
室内に漂う木の匂いが今までに破壊された的の歴史を感じた。
実際に斧を持ってみると、その重量感が恐ろしく感じる。
包丁などと違い、日常の中に存在しない凶器のリアルさに圧倒されてしまった。
人生で初めて持つ斧の質感にビビりながら、早速チャレンジ。
AXE THROWING®︎はただ斧を投げればよい、というものではない。
斧という凶器を扱うので、安全な投げ方や取り扱いには慎重にならなければいけない。
扱い方をスタッフの方に丁寧にレクチャーしていただいた。
AXE THROWING®︎は競技スポーツとして確立しているので公式ルールがある。
今回は一人で挑戦したため細かなルールは省略するが、基本的には的の中心に行くほど点数が高く、「キルショット」と呼ばれる的の上両端に位置する小さい黒丸が一番点数が高い。
しかしキルショットに当てる際には斧を投げる前に「キルショットを狙う」旨を宣言する必要があり、外した場合は得点が0点になるためリスキーかつ当たれば会場は大盛り上がりすること間違いない。
今回は初めてということもあり、シンプルに真ん中の「ブルズアイ」を狙ってひたすらに斧を投げることにした。
投げ始めは思った様に斧が的に刺さらなかったが、フォームを変えたり斧を離すタイミングを調整して段々と命中率が上がっていった。
初めこそ斧を持つだけでビビっていたが、慣れて来ると恐怖が快感へと変わっていき、斧が的に刺さる音や感覚はかなり耳心地が良く感じた。
斧を投げるのに疲れてしまったら、オプションの手裏剣などを試してみてもいいだろう。
手裏剣は軽く、比較的スピードをつけて投げやすいので的にサクッと刺さる感覚が気持ちいい。
破壊と斧投げを終えて
普段は経験できない「やってはいけないこと」を自由にできる空間は、日常で感じるストレスを発散できる最適な場所であると感じた。
ソロプレイで鬱憤を晴らすもよし、友人と一緒に盛り上がりながら楽しむもよし。
特にAXE THROWING®︎は「斧を投げる」というシンプルな競技だが、力の入れ方やフォームの調整が必要な繊細なスポーツだと感じた。体験してみたら意外にハマるという人も多いかと思うので、実際に体験して自身の新たな可能性を解放してみるのも良いかもしれない。
体験場所の詳細
REEAST ROOM池袋店はBREAK ROOM、AXE THROWING®︎、FREE ART WALLの3つをメインにサービスを展開しているお店である。
BREAK ROOM
その名の通り空間に配置してあるアイテムを、バールや鉄パイプなど様々な武器を使って好きなように破壊することができるサービスである。2008年ごろからアメリカで広まったこのサービスは日本ではREEAST ROOMが日本初上陸という形でオープンした。
AXE THROWING®︎
AXE THROWING®︎とは、ダーツの様に的に斧を投げて得点を競い合うスポーツである。 アメリカやカナダで人気を博し、BREAK ROOMと同様にREEAST ROOMが日本初上陸という形でオープンした。現在は世界、日本で大会が開催されておりオリンピック種目に採用されることを目指し様々な活動が行われている。
FREE ART WALL
こちらもその名の通り、設置された板やビルの壁に直接落書きをすることのできるサービスである。「やってはいけない」の代名詞でもある落書きを心行くまで楽しむことができる。
「REEAST ROOM」
※体験する際の注意事項や予約方法などはHPで確認できます。
Edited by SASAnishiki
Photo by RIN