XRの今!トレンドが集結する国際的な祭典「Laval Virtual 2023」

Laval Virtual フェスティバル 潜入レポート2023

フランスで毎年行われる、VR/AR/XRをテーマとした大規模フェスティバル「Laval Virtual」。今回、4月12日~16日にかけて開催された「Laval Virtual2023」を体験したので、複数回にわたってレポートします。今回はレポートの第一弾として、Laval Virtualがどのようなイベントであり、何を展示しているのか?どんな体験ができるか?といった、Laval Virtual2023全体の構成を中心に紹介します。

フランスというと遠いことに感じるかもしれませんが、実はLaval Virtualは日本とも深い関わりがあります。学生主体でVR作品にチャレンジする「IVRC」で作品が選ばれると招待されるとのことで、実際に何人かの日本人と現地で知り合うこともありました。国境を越え、世界がVRやテクノロジーでつながっていることを再認識する良いきっかけとなりました。

次回以降の記事では実際に体験した展示やイベントを紹介し、より具体的な展示やイベントのレポートをしていきますので、お楽しみに!

Laval Virtual とは?

Laval Virtualは、フランス西部の都市・ラヴァル市で毎年開催されるVRとARに特化した国際的なフェスティバルです。1999年に初めて開催されて以降、今年で25回目という節目を迎えるこのイベントは、産業界や学術界、エンターテインメント業界の専門家、研究者、開発者、デザイナー、アーティストなど、VRやAR分野で活躍する人々が参加する場としての役割を果たしてきました。
また、学生や一般の人々など、関連する企業やその分野の専門家に限らない様々な人々が参加することができ、情報交換や人と人のつながりの場にもなっています。VRおよびAR技術の最新トレンドや発展に焦点を当て、参加者に最新情報と知識を提供する重要なプラットフォームです。

イベントは大きく分けてExhibition、カンファレンス、アワード・コンペティション、デジタルアート、コミュニティ&ネットワーキングの要素で構成されています。

EXHIBITION 2023

Exhibition 2023では、200近い企業や研究機関がブースを出してそれぞれの技術やプロダクトの展示を行っており、来場者は実際にデモンストレーションを体験することができます。

ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、ウェアラブルテクノロジー、バーチャルリアリティゲーム、ARマーケティング、AIおよびシミュレーション技術など、最新の技術の発表や展示が行われます。これらのプログラムは知見を共有し、最新の技術開発に関する情報を提供するための場として、重要な役割を果たしています。

産業面においても、製造、建設、医療、航空宇宙など、様々な産業分野におけるVRおよびAR技術の活用事例が紹介されています。たとえば、製造業界では生産プロセス、建設業界では作業員のリスク管理や重機のオペレーション、医療業界で手術の訓練や手順の習得などをVRおよびAR技術を活用してシミュレーションすることで製品品質の向上やコスト削減、より臨場感のある学習体験など、実用的な取り組みを知ることができます。

カンファレンス

3日間にわたって行われたカンファレンスは、様々な国の企業や学術機関が集まり、VR/ARにおける学術的な研究発表や企業の取り組みについてプレゼンテーションやディスカッションをします。

学術界や産業界の研究者、開発者、エンジニア、ゲームデザイナー。さらに弁護士、投資家などによる、最新のVRおよびAR技術に関する研究や開発に関する発表や議論は、VR/AR技術に関心のある人々にとって最新の研究や開発動向を知る良い機会です。

アワード・コンペティション

Laval Virtual ReVolutionでは、VR/ARの既存のビジネスと新技術を結びつけて生まれる新たな取り組み「クロステックコンテンツ」に焦点を当てた毎年恒例のコンペティションが行われます。Laval Virtual ReVolutionでは、コンピュータグラフィックス、バーチャルリアリティ、拡張現実、センシング、ユーザーインタフェース、ヒューマンファクター、ゲームなど、幅広い学術分野からの発表があります。

LV Awardでは、世界中のXRソリューションのイノベーターを紹介することを目的とされています。2022年1月から2023年4月までの間に開発されたすべてのプロジェクトを対象としており、注目すべきXRプロジェクトとその裏にいる人々のブレーンにスポットライトを当てます。

デジタルアートエキシビション

アートエキシビションでは、様々なアーティストによるVRやARの作品が展示され、参加者はその作品を体験することができます。展示される作品には、仮想空間でのインタラクティブなインスタレーション、360度映像、デジタルアート、そして現実世界と仮想世界が融合したような作品など、多岐にわたります。

コミュニティとネットワーキング

イベント参加者はエキシビションを通して色々な人との繋がりを持つことができるのはもちろん、Laval Virtualには人と人がつながるための仕掛けがいくつか用意されています。
フェスティバルの始まる前日に用意されているイベント「ネットワーキングディナー」や、オープン初日に開催される「Laval Virtual Party」。そしてアワード授賞式の後に開催されるアワードセレモニーを通して、展示者や学者、リサーチャー、学生、フリーランスの方など、様々な領域を超えて多くの人と交流することができます。

また、冒頭でも述べたようにLaval Virtualは日本と深い関わりがあります。毎年日本で開催されるIVRC(Interverse Virtual Reality Challenge)では学生を中心としたチームでインタラクティブ作品を企画・制作するチャレンジが行われ、作品が選ばれるとこのLaval Festivalに招待されます。また、こちらLaval VirtualでReVolution #Student Awardを受賞したチームは、日本のIVRCへ招待されます。

さらに、ネットワーキングはXR産業の中だけの交流に留まらず、地域の方達にも広がっています。25年の歴史が物語るように、地域の方はこのフェスティバルを毎年楽しみにしており、Laval Virtualをきっかけに3Dやデベロッパーの道に進んだ地元の人も少なくありません。まさに25年続くからこそ、地域の方たちとの強い結びつきを感じることができます。

Laval Virtual 2023

VR/AR技術の未来に向けたさらなる展望を見せてくれるLaval Virtual 2023。これらの技術が世界中でますます普及し、今後、さらに多くの新しいアプリケーションや技術が登場することが期待されます。こういった技術が、将来私たちの生活にどのような可能性をもたらすのか、そういったことを考える良い機会になるでしょう。

次回の記事もお楽しみに!

 

Edited by SASAnishiki