千利休ゆかりの黒樂茶碗『万代屋黒』をモデルにした特別な触覚デバイスとGoogle Pixle Watchを用いて同時に複数人で日本のお茶の新たな世界を体験
リアルメタバースプラットフォーム「STYLY(スタイリー)」を提供する株式会社Psychic VR Lab(本社:東京都新宿区)と株式会社CinemaLeap(本社:東京都品川区)が2社で共同製作したVRアニメーション「Sen」が、第80回ヴェネチア国際映画祭エクステンデッドリアリティ(XR)部門「Venice Immersive」にノミネートされました。
本作品は、「千利休の所持した樂長次郎 黒樂茶碗『万代屋黒』をモデルにしたお茶碗型の触覚デバイス」を用いて、VR空間で複数人同時に日本のお茶の世界を体験でき、日本伝統の茶道の世界を通して生命と宇宙の繋がりを体験する作品となっています。また、心拍を検知するバンド(Google Pixel Watch) を手首に巻き、体験者の心拍データをリアルタイムでVR空間へ通信・共有することによる演出も見どころのひとつとなっています。Googleが提供するクラウドレンダリング*にも今後対応予定です。
2023年8月21日(月)には、ヴェネチア国際映画祭での公開前に、VRアニメーション「Sen」の報道関係様向けの先行体験会を実施いたします。
*クラウドレンダリング:クラウドサーバーを利用して、映像やアニメーション動画、3Dモデルなどのイメージ処理を行うことを指します。(Google Cloud「Immersive Stream for XR」に対応予定)
VRアニメーション「Sen」メディア体験会について
【体験会詳細】
・日時:8月21日13:00〜19:00
・場所:せたがやがやがや館 〒154-0001 東京都世田谷区池尻2-3-11 3F・4F
・参加希望締切:8月18日17時まで
・体験時間:15分(各回終演後に伊東ケイスケ監督への取材が可能です)
・参加お申込フォーム:https://onl.la/CNi8RVP
・体験会に関するお問い合わせ先:
株式会社Psychic VR Lab 広報担当 森逸崎 info@psychic-vr-lab.com
※必要な持ち物は特にございません。
※ご取材にあたって、監督へのインタビュー、体験の様子の撮影、本編映像の一部のご提供も可能です。その他ご希望があればお問い合わせ先までご連絡ください。
※希望者多数の場合は抽選となる可能性がございます。抽選結果はフォームにご入力いただいたメールアドレス宛にご連絡差し上げます。
【VRアニメーション「Sen」注目ポイント】
①千利休ゆかりの黒樂茶碗『万代屋黒』をモデルにした特別な触覚デバイスを利用
②Google Pixel Watchによって心拍データをリアルタイムで作品へ投影
③伊東ケイスケ監督 ヴェネチア国際映画祭XR部門 世界初の4年連続ノミネート
第80回ヴェネチア国際映画祭XR部門「Venice Immersive」について
ヴェネチア国際映画祭は、本年で80回を迎える世界最古の歴史を誇る映画祭であり、カンヌ国際映画祭、ベルリン国際映画祭と並ぶ世界三大映画祭の一つに数えられ、本年は8月30日より9月9日まで開催されます。本映画祭のXR部門は、 2017年に新設され、本年で7回目を迎えます。
本年度の「Venice Immersive」は、ラッヅァレット・ヴェッキオ島(Venice Immersive Island)での現地開催となり、ワールドプレミアまたはインターナショナルプレミアとして最大44件のイマーシブ・メディア・プロジェクトがコンペティションに出展される予定です。360度ビデオ、インスタレーションやバーチャルワールドを含む、あらゆる長さの3DoFおよび6DoFのインタラクティブXR作品が対象となっています。
「Sen」は「千利休の所持した樂長次郎 黒樂茶碗『万代屋黒』をモデルにしたお茶碗型のデバイス」を持ち、心拍を検知するバンド(Google Pixel Watch) を手首に巻き、VRヘッドセットを装着して体験いただく作品となっております。
体験者の心拍データをリアルタイムでメタバースと通信・共有することで、鼓動データを映像内の光に変換するなど生々しい心臓の鼓動を感じることが出来ます。
本作品は映像を楽しむだけでなく、同空間に入った複数人の体験者の心拍データをリアルタイムでメタバースで通信・共有することにより「自分以外の他人の心臓の鼓動」を感じ、メタバース上で互いの心臓を視認し、協力して音楽を奏でる体験型の作品です。
VRアニメーション「Sen」について
・作品名:Sen
・製作年:2023年
・製作:株式会社Psychic VR Lab/株式会社CinemaLeap
・作品尺:15 分
・ジャンル:アニメーション
・作品紹介ページ:https://keisukeitoh.com
【あらすじ】
この作品は日本の伝統文化である「茶道」をベースにしています。体験者は、日本の茶室に身を置き、黒樂茶碗『万代屋黒』を両手に持って日本の伝統世界を体験します。体験者は薄暗い茶室の中、自分の手の中の茶碗から生まれるお茶の精霊”Sen“を通して、自分と世界との関わりを知ります。最初は恐る恐る世界を知っていく“Sen“ですが、様々な存在に関わることによって、自分が存在することの喜びを知ります。美しい世界が目まぐるしく変わる中、“Sen“は自分たち以外に、同じような存在がこの世界に存在していることに気づきます。他の存在との繋がりや、関わりが心地よく、自己中心的に目の前の存在と関わることばかりを考えるようになります。そんなある日、突然自分の心地の良い世界が大火によって全て消失してしまいます。何もかも失ってしまった”Sen”は茶碗の中に落ち、自分の存在が宇宙の中で粒子となり溶けてしまいます。“Sen”と体験者は、この世界の生きとし生きるものあらゆる存在と自分は共にあるということに気づいた時、自分の存在が、茶室に戻っていることに気づきます。そしてまた何気ない日常が始まります。
【制作チーム】
・監督:伊東ケイスケ
・プロデューサー:待場勝利
・脚本:鈴木洋介
・音楽:森下唯
・開発:谷口勝也
・3Dモデラー: 城戸秀幸
・音響:らくとあいす
・モーションキャプチャーアクター:伊豆牧子
・ストーリー・コンストラクター :中嶋雷太
・ハプティクスデバイス開発:安藤英由樹/ 渡辺華代
・テクニカルサポート、茶碗デバイス:橋本裕
・エンジニア:池田義宣/ 髙鳥光/ 佐藤久志
・アシスタント:内藤祐太/ 山口大征/ 近藤加菜/ 大橋哲也/ Claudia Montes
・技術サポート:STYLY
・協力:樂美術館/ 舩越宗英
監督 伊東ケイスケ氏について
伊東ケイスケ氏は、今回で4年連続ヴェネツィア国際映画祭のXR部門にノミネートされており、また、4年連続のノミネートは世界初*の実績となります。
*ヴェネチア国際映画祭調べ (https://www.labiennale.org/en/cinema/2023/venice-immersive-0)
【伊東ケイスケ氏コメント】
私は日本の伝統文化である「茶道」をベースに、XRを通して自己を深く見つめる体験を作りたいと考えました。
Senとは、とても大きな数、無限を表しています。
私は、私たち地球上の生命体は、無限の宇宙に溶ける粒子のような淡い存在であり、心臓の鼓動を与えられて存在しているのではないかと考えるようになりました。
この物語で体験者は、両手で持ったChawan Deviceからこの世に生まれ落ちた、お茶の化身「Sen」と出会います。
彼は生まれてはじめて、自然や他者に出会い、関わり合います。
生きる楽しみ、そして多くの苦しみを味わいます。
そんな彼の「生」は、わたしたちとなにもかわりはありません。
彼はあなた自身です。
両手から伝わるChawanのあたたかな感触と鼓動のぬくもりとともに、他者との繋がりを体験してください。
そして、深い闇の中で、あなた自身の「生」を見つめてください。
【プロフィール】
1986年生まれ。多摩美術⼤学グラフィックデザイン学科卒業。メーカーのグラフィックデザイナーを経て、現在はXRアーティストとして活動する。これまでにヴェネチア国際映画祭やカンヌ国際映画祭、世界最大のCGの祭典SIGGRAPHなどで上映を行ってきた。ヴェネチア国際映画祭のVR部門では2020年より自身が監督を務めるVRアニメーション作品で3年連続ノミネート。2019年に『Feather』が第76回ヴェネチア国際映画祭にて、VR部⾨では⽇本⼈初のビエンナーレカレッジセレクションとしてプレミア上映。2020年に『Beat』は第77回ヴェネチア国際映画祭のVR部⾨、およびカンヌXR VeeR Future Award 2021にノミネート。2021年に『Clap』は第78回ヴェネチア国際映画祭のVR部⾨、およびカンヌ XR VeeR Future Award 2022にノミネート。2022年に『Typeman』は第79回ヴェネチア国際映画祭のXR部⾨にノミネート。
なお、伊東ケイスケ氏は、STYLYを活用したXRクリエイター・アーティストの育成プロジェクト「NEWVIEW SCHOOL」の卒業生であり、XRコンテンツグローバルアワード「NEWVIEW AWARDS 2019」において、ファイナリストにも選出されていました。(https://newview.design/works/tsukumo/ )
「業界の第一線で活躍する講師の方々との交流を通じて、大きな刺激を受けました。その貴重な経験が、今の成果に繋がっているので感謝しています。」とコメントをいただいています。
NEWVIEW(ニュービュー)について
NEWVIEWは株式会社Psychic VR Lab、株式会社パルコ、株式会社ロフトワーク3社による、XRクリエイター・アーティストの育成、発掘プロジェクトです。3次元空間での新たなクリエイティブ表現と体験のデザインを開拓する実験的プロジェクト/コミュニティーとして2018年1月に始動しました。
多様なジャンルのアーティストと実験的作品を仕掛け、新たな表現を社会提示する活動のほか、「NEWVIEW AWARDS」、XRを総合芸術として学ぶアートスクール「NEWVIEW SCHOOL」を展開し、次世代クリエイターの発掘・育成・交流・発信を行っています。
・Official Site:https://newview.design
STYLY都市型XRエンターテインメントについて
都市型XRエンターテインメントは、STYLYが推進する、商業施設や都市空間そのものをXR技術で体験型メディアへと拡張する新たなエンターテインメントの形です。
ユーザーは街を訪れるとテレビのチャンネルを切り替えるように、様々なXRコンテンツを体験することができます。現実世界にXR技術で様々なストーリーを重ね、高い没入体験を生み出すことで街に人流を生み出します。
来たるXR時代を見据え、スマートフォンでのAR(拡張現実)体験はもちろんのこと、有償チケットを購入いただいた方に向けたVR/AR/MRデバイスを用いたリッチな没入型体験も提供いたします。さらには1つのエリアで実施した取り組みをパッケージ化して世界展開も行う予定です。
今回のVRアニメーションは、現実世界と仮想空間をシームレスにつなぐ体験を創出するものであり、都市型XRエンターテインメントにおいても重要な役割を果たします。
CinemaLeapが持つストーリー設計力やプロデュース力と、リアルメタバースプラットフォーム「STYLY」の技術力を掛け合わせたVRアニメーション「Sen」をぜひお楽しみください。
本作品「Sen」の展示(有償)を希望される方は以下からお問合せいただけます。
株式会社Psychic VR Lab(STYLY)
広報担当 森逸崎
info@psychic-vr-lab.com
株式会社CinemaLeapについて
・所在地:〒141-0031 東京都品川区西五反田1-13-7 マルキビル503
・代表者:代表取締役 大橋哲也
・Official Site:https://cinemaleap.com/
CinemaLeapは、ストーリーを軸とした新しいXR体験を提供する、クリエイティブカンパニーです。世界的に著名な国際映画祭にノミネートされるXR映画作品のプロデュースのほか、様々なパートナー様と一緒にXR・メタバースに関するプロジェクトを推進しています。
STYLYについて
STYLYは、都市空間と連動したXRコンテンツを制作・配信できるリアルメタバースプラットフォームであり、クリエイター育成・ロケーションベースのプロジェクトを数多く推進してきました。
STYLYには世界中の都市の3Dデータが実装されており、これを活用することで実空間と連動したコンテンツを制作・配信することができます。さらに、STYLYはマルチデバイスに対応しており、スマートフォンでのAR体験をはじめ、AR/MRグラスやWebブラウザ、そしてVRHMDなど多彩なデバイスでコンテンツを体験することが可能です。
今後も世界中のクリエイターや各都市と連携し合いながら、現実世界をテクノロジーで拡張させる「リアルメタバース」を推進していき、ライフスタイルの中でXR/リアルメタバースを利用する「空間を身にまとう時代」の創造を行ってまいります。
・Official Site:https://styly.cc/