この記事では、フォトグラメトリで3Dモデルを作成するためにどのような写真を撮影する必要があるのか、例を示しながら解説します。
撮影例をジオラマとして展示したVRシーンも作成しました。
サンプル
STYLY GALLERYからサンプル空間を体験できます。
Photogrammetry_Sample_Scene
フォトグラメトリ 撮影のポイント
ここからは、いくつかの撮影例を紹介していきます。
ジオラマの周囲に浮かぶ黒いカメラマークが、写真を撮影した位置です。ぜひこれを参考に、色々なものをスキャンしてみてください。
景色を切り取る -公園の階段-
このように風景を切り取ってスキャンする場合は、一歩ずつ横にずれながら写真を撮影していくとうまくいきます。
よくやりがちな方法として、「何点か地点を決め、その地点からいろんな方向を撮影する」方法もありますが、一歩ずつ横にずれながら撮影していく方が綺麗にスキャンできるようです。
隣り合う写真と写真はおおよそ60%ほどオーバーラップするべきだと言われているので、そのことを意識して撮影すると良いでしょう。
撮影枚数 | 76枚 |
使用カメラ | iPhone7 |
使用ソフト | Photoscan(現Metashape) |
ポリゴン数 | 20000(もともと100万ポリゴン以上あったため、ポリゴン数を削減) |
気をつけたポイント | ・一歩ずつ横にずれていくように撮影 ・隣り合う写真は60%オーバーラップ |
ぐるっと一周撮影する -灯篭-
360度どこから見ても欠けのない3Dモデルを作るには、360度ぐるっと一周写真を撮影します。
上から下まで灯篭の全てが画角に収まるように注意しながら写真撮影しました。
撮影する軌道が綺麗な円形になるように意識して撮影すると良いでしょう。
撮影枚数 | 94枚 |
使用カメラ | iPhone7 |
使用ソフト | Photoscan(現Metashape) |
ポリゴン数 | 10000(もともと100万ポリゴン以上あったため、ポリゴン数を削減) |
気をつけたポイント | ・上から下まで灯篭の全てが画角に収まるように注意 ・撮影する軌道が綺麗な円形になるように意識 |
小物をスキャンする -サザエ-
小物をスキャンする場合、机において撮影する方法もあります。ただしそれだと置いた面のスキャンができません。このサザエはどこから見ても綺麗に見える3Dモデルにしたかったため、針金で吊るして撮影を行いました。
写真に写らない部分ができないよう上下からも満遍なく撮影を行う必要があります。
また、吊るしたサザエが回転してしまわないように細心の注意を払いました。
ただ上の画像を見てもわかるように、角度によって撮影枚数のムラがあります
ぐるぐる撮影しているうちにどの角度から撮影したか分からなくなってしまったからです。
吊るして撮影を行う際は、どの角度から撮影したか分からなくならないように、計画的に撮影を行うと良いでしょう。
撮影枚数 | 65枚 |
使用カメラ | iPhone7 |
使用ソフト | Photoscan(現Metashape) |
ポリゴン数 | 61848 |
気をつけたポイント | ・写真に写らない部分ができないように満遍なく撮影 ・吊るしたサザエが回転しないように注意 ・自分の影が写り込まないよう注意 |
撮影した写真を使ってフォトグラメトリを行う
フォトグラメトリの詳しい解説はこちらの記事にて紹介しています。
いかがだったでしょうか??
写真撮影のやり方によって、アウトプットされる3Dモデルの質は大きく変わります。
この記事を読んで撮影方法の大まかなイメージをつかんでいただけたなら幸いです。
(より良い撮影方法について知見がある方がいらっしゃいましたら、Twitterにて@VR_landscapeまでご連絡いただけますと幸いです)