Interview, Daydream, Lagthorin,

VRは近い将来、大衆化するだろう。

アートやファッション、音楽などライフスタイルに関わるインターフェイスもVR化が進んでいくはずだ。

事実、すでに多くのアーティストが空間表現の探求を始めている。

今回、ファッション/カルチャー/アート分野のVRコンテンツを募るグローバルアワード「NEWVIEW AWARDS 2018」にて、ファイナリストに残った丸山ミカ氏もその一人だろう。

シンガーソングライター兼CGアーティストである丸山ミカ氏は、作詞作曲、歌唱、ビジュアルデザインからプログラミングまで一貫して自身で行っているマルチクリエイターだ。

なぜ、彼女はバーチャル・リアリティーの世界に足を踏み入れたのか?

本記事では彼女の作品「DAYDREAM」の制作過程に触れながら、その想いに迫ろうと思う。

 

プロフィール

丸山ミカ
シンガーソングライター / CGアーティスト|日本
作品名:DAYDREAM
web:http://lagthorin.com
twitter: http://twitter.com/posoposomimi
instagram:http://www.instagram.com/lagthorin_/

洗足学園音楽大学音楽音響デザインコース卒。シンガーソングライター兼CGアーティスト。2018年、音楽を基軸にしたビジュアル作品を発信するソロユニット”Lagthorin”を始動。作詞作編曲、歌唱、ビジュアルデザイン、プログラミングまで一貫して自身で手がけている。国内外のインディーゲーム開発にも携わっており、近年では米国の”AckkStudios”が開発する”YIIK: A Postmodern RPG”に歌唱/音楽制作で参加するなど精力的に活動中。

SoundCloud:

 

NEWVIEWで繋がるアーティストの輪

— まずは、NEWVIEWを知ったキッカケを教えてくれますか?

丸山ミカ:STYLYを触り始めた頃に告知されたことがキッカケです。

 

— 応募しようと思ったのはなぜですか?

丸山ミカ:ファイナリストに残ったら、審査員を務めている企業やアーティストの方々に自分の作品を見ていただけると思ったからです。

David OreillyさんのMountainというゲームを過去にプレイしたことがあったので、彼が審査員であることが発表された時は嬉しかったです。

VR作品を作っているお友達が欲しかったというのもあります。実際にNEWVIEW AWARDS経由で、素敵なクリエイターとたくさん知り合うことができました。ありがとうございます!

 

— STYLYはどのようなキッカケで知りましたか?

丸山ミカ:Mogra VRさんで、定期的にニュースとして取り上げられていて知りました。

ブラウザとネット環境さえあれば簡単にVRコンテンツが作成できて、プラットフォーム上でパブリッシュまで気軽にできるのは面白いなぁと。

 

自作曲を使ったインタラクティブ性のあるVRMV

— 今回、制作された「Daydream」はどのようなコンセプトで作られましたか?

丸山ミカ:自作曲を使ったインタラクティブなMusicVideoのようなものを作りたくて。

ビジュアルのモチーフは渋谷のスクランブル交差点から着想を得ています。職場の窓から、スーツを着込んで交差点を往来している人々をよく眺めていて。パッと見ると個性がないようにみえるけれど、内側はみんなユニークで、多様なイマジネーションを抱いて暮らしているんだろうなって。

目立たないけど一生懸命日々を生きている人たちの、外側の世界と内側の世界をつなぐような、ポジティブな作品が作りたいと思いました。
なので宙に浮いている扉の向こう側には渋谷の交差点の映像が流れています。

扉に近づくと流れるガヤの音も、実際に行ってフィールドレコーディングしてきました。

— 本作はUnityで制作されたと聞きましたが、今までUnityでの開発経験はあったでしょうか?

丸山ミカ:ゲーム開発の仕事をしているので、Unityは一通り習得済でした。Playmakerは今回の作品制作のために勉強しました。

 

— 本作品の制作手順と制作期間をお教えください。

丸山ミカ:だいたい1ヶ月、週末や仕事後の時間を利用して制作しました。

楽曲制作とCG制作はマシンを分けていて、楽曲は数年前にMacbookとLogicProで制作したものです。

ビジュアル部分の制作とSTYLYへの組み込みは、VRで遊ぶために組んだWindowsのデスクトップマシン(グラボはGTX1080Ti)を使用しました。インタラクションの開発はUnityとPlaymaker、写真のトリミングやレタッチにPhotoshop、アニメーションはAnimateとAfterEffects、ドア等の3DモデリングはMayaです。

見たものが反応するインタラクションは、カメラの中央からコライダーつきの透明なオブジェクト前方向に飛ばして、ヒットしたものが反応する仕組みにしました。2Dのコラージュを多様しているので、ペラペラ感が出ないように常にカメラに対して正面を向くプログラムを実装しました。

その他の創作物

— 制作時に苦労した点なども併せてお教えいただけると嬉しいです。

丸山ミカ:不慣れなプログラミングの調整に時間の多くを持っていかれて、日中の仕事と平行して制作するのが体力的に大変でした。

あとはPlaymakerは日本語文献が少ないので、知りたいことに辿り着くのに苦労しました。
(STYLY公式のPlaymakerのTipsがとても役に立ちました!)

 

— 本作品を制作する際に最もこだわったポイントを教えてください。

丸山ミカ:短い言葉で語るのは難しいですが、現実世界と空想世界が交錯する世界観づくりにこだわりました。

撮影された環境がバラバラな写真をコラージュしているので、統一感が出るように色彩やぼかしの全体調整にかなり気を配りました。また、写真をアニメーションさせているので、写真に存在していない部分は描き足しているのですが、嘘っぽくならないように丁寧に加工しました。

VRの見え方とブラウザ上の見え方が違うので、理想の見え方に近づけるのにヘッドセットを被ったり外したりして何度も位置調整をするのが大変でした。でも、こうした迅速な位置調整が可能なのも、実装したものがすぐに確認できるSTYLYならではですよね。

 

— ありがとうございます。今後の展開をお教えください。

丸山ミカ:しばらくは楽曲制作に注力する予定です。

新曲のストックが溜まったら、それに合わせたVRのビジュアルイメージをまた発表していきたいなと思っています。

今回は2DCG多めでしたが、次回は3DCGで作り込みたいですね。

その他の創作物

今回、NEWVIEW AWARDSを通じて映像作家や写真家、バーチャル美術家やシンガーソングライターなど多彩な肩書のアーティストが参加した。

VRと言えばまだまだギークなイメージがあるが、すでに様々なアーティスト達がこぞって表現するメディアになりつつある。

NEWVIEW AWARDSのタグラインは「DESIGN YOUR ULTRA EXPERIENCE(超体験をデザインせよ)」。

3次元空間の新たな表現と体験を生み出していくには、様々なアーティストのアウトプットが必要だ。

次回作も皆を驚かせてくれるようなVR空間を見せて欲しいと切に願う。

 

 

Ryohei Watanabe

VR Inside元創刊編集長。Psychic VR Labが提供するVRクリエイティブプラットフォーム「STYLY( https://styly.cc/ )」に惚れ込み、2018年1月よりChief Media Officerとして同社へ移籍。

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About STYLY

STYLYは、VR空間を駆使した新たな表現・体験を生み出せるクリエイティブプラットフォームです。 STYLYを活用することで、コンセプチュアルなショップ空間やインスタレーション、ギャラリーなど クリエイターのイマジネーションを際限なく表現した多彩な空間を構築できます。 またその空間を通じて、今までの現実では成し得なかった体験をインターネットの世界へシェアすることができます。