Interview,

アニメーション作家、ぬQ氏のお菓子好きが存分に反映された「SWEETS_EMPIRE」

ぬQ氏と言えば、最近ではアーティスト 水曜日のカンパネラの「見ざる聞かざる言わざる」MV制作や、ナイキのプロモーション映像制作を担当し、アニメーション界では広く周知されている存在だ。

そんなぬQ氏初のVR作品が「SWEETS_EMPIRE」。本作品は、ぬQ氏による手書きグラフィックをベースとして構成され、Mixamoでアニメーションをつけた動くクッキーの妖精やお菓子の家、上にはたくさんのグミの星が散りばめられている。まさにお菓子の王国。ぬQ氏のお菓子に対する強烈な思いを感じることができる作品だ。

本インタビューでは、「SWEETS_EMPIRE」のコンセプトにまつわるお菓子のエピソードと制作過程をお伺いしました。

 

プロフィール

ぬQ氏

ぬQ

アニメーション作家。

修了制作のアニメーション作品“ ニュ~東京音頭 ”が第18回学生CGコンテスト最優秀賞を受賞、第16回文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品に選出されるなど、国内外で多数上映される。pixiv Zingaro や TETOKA等のギャラリーで個展を開催する他、CM、MV、イラスト等クライアントワークも数多く手掛けている。

参考元:http://jpnk-jp.com/artist/nuq/

 

お菓子に支配された脳

—始めにVRと聞いてどう思いましたか?

ぬQ氏:初めVRは3DCGができる人のためのものだと思って悩んでいたのですが、飛び出すグリーティングカードのようにイラストを3D空間の中に配置すれば私でもできるかな?と考えました。

私の場合は、そんな凝ったものではなくても私の絵の世界が広がっていれば、お客さんに世界観が伝わるだろうと思い、やってみることにしました!

 

—最初のコンセプトメイクはどうしましたか?

ぬQ氏:当時、お菓子に脳が支配されていて、、、そんな脳内をVR化してみようと思い、糖分の妖精たちが植民地にしている”お菓子帝国”を作ることに決めました。

背景としては、万年ダイエットをしているのですが、お菓子が大好きで間食がやめられないんですでも間食をやめると、今度は反動で脳が甘いものを欲し過ぎて頭の中が甘いものでいっぱいになるんです。一時期はお菓子を食べてる夢とか、リスみたいに口の中に溜めてる夢を見るくらい追い込まれました。

あとはお菓子を万引きしている夢を見たり、お菓子の成分を気にして一番糖分の少ないものを食べて、夢なら好きなだけ食べればよかった気づいて後悔した夢を見たりもしましたね。

そういうわけで、生活も脳も夢も糖分に支配されていると感じ、「お菓子の帝国」をテーマに掲げました。

 

お菓子帝国の作り方

—イラストはどのように制作されたのですか?

ぬQ氏:フォトショップにペンタブレットを接続していつでもどこでも描いてます。

お菓子帝国についてはその時に食べたかったものを書きました。色違いも含めると100種類以上描きましたね。

 

—3DCG部分のお菓子の家とクッキーの妖精はどのように制作されましたか?

ぬQ氏:お菓子の家と、クッキーの妖精は、私がスケッチを描き、3DCGの伊東佳佑くんが展開図を描いてくれました。それからその展開図に合わせて絵を描き、伊東くんが3DCG化してくれました。

いつもと描き方が異なり、壁は壁、屋根は開いてる状態で個々に絵を描いて、完成したお菓子の家はSTYLYに組み立てた状態でアップロードしました。

お菓子の家展開図

今回、私のオリジナルキャラクターの一郎とふたこが、クッキーの妖精としてVR内に登場しています。ふたこはMixamoでアニメーションをつけてみました。いつもは自分では作れないような3DCGや、やったことないことにチャレンジしてみたかったんです。

いつもだと1秒に24枚くらい描いていて、とても時間がかかっていたので、Mixamoがボタン一つで動きを作ってくれて感動しました。しかもいい動き。一郎はクッキーらしく静止させ、VRゴーグルを被らせています。

余談ですが、ヘンゼルとグレーテルの物語の重要アイテムであったり、戌年の年明けに制作したこともあり、クッキーの妖精が骨柄の服を着ています。

一郎&ふたこ

 

PNGで表現された3D

—空に浮かんでいるたくさんのお菓子はどのように配置されたのですか?

ぬQ氏:大きなキャンバスにたくさんの絵を描いたPNGデータ何枚もレイヤーのよう配置しました。

本当は1個ずつ配置したかったのですが、数が膨大なので、1枚にまとめて2〜3枚をテントのように貼りました。そうすることで手前と奥に遠近感ができたので、3D感を出しました。

 

—STYLYで作業されていかがでしたか?

ぬQ氏:どこまででも作れてゴールがわからなかったから、容量がいっぱいになるまで制作しました。

キャンバスだったら区画があるのですが、3DCGはないからちょっと悩みましたね。

作業手順としては、グラフィックの絵を看板のようにドーム型に立てて見せていきました。

あと、もともとSTYLYに入っていたキラキラのオーロラのエフェクトがとても綺麗だったので、たくさん使わせていただきました。

自分のアニメーションでもよくキラキラのエフェクトを描くのですが、VRで見たら本当にキラキラしていて感動しました!

 

 

—制作にあたりどのくらいの作業時間がかかりましたか?

ぬQ氏:具体的にはわからないのですが、数十時間くらいですかね。

絵も丁寧に描いたので、それなりにかかりましたね。いつもより1枚にかけた時間は長かったです。ここでの絵の多さは「お菓子が食べたい」という私の心の叫びです。本当に作ってよかったと思いました。数ヶ月後の今に見返すと、ここまでお菓子に毒されていたとは・・。今ではここまで表現できないかもしれません。

クッキーパーツ

 

—作業中に困ったことはありましたか?

ぬQ氏:だんだん慣れてきたのですが、実際にオブジェクトを置いたりするのはかなり難しかったです。

絵だけの空間だと平面的になってしまうので、3DCGのホイップクリームをもっと活用してみたかったな。

 

3次元と2次元の表現

—VRと関わってみていかがでしたか?

ぬQ氏:最初はVRの仕事私には無理でしょ、って思っていたのですが、やってみたら本当に面白かったです。今度はお菓子の家の中を作り込んでみたいと思います。

他のクリエイターさんの作品をみて、クリエイターそれぞれのVRや3Dの捉え方が違って興味深かったです。

私は、2Dを無理やり配置することで3Dぽく見せて制作してみたのですが、もともと3Dに強いクリエイターさんとの見せ方の違いが面白かったです。

 

お菓子に毒された脳内をVRに落とし込んだ本作。カラフルでポップな色彩の中には2Dを3Dのように魅せるアイディアにぬQ節が垣間見える。

今後はどんなVR作品が見れるのだろうか。ぬQ氏が得意とするアニメーションをVRに落とし込めると、さらに面白い作品になるのではないだろうか。今後の動向に注目しよう。

またぬQ氏のHPも、ぬQ節が炸裂している世界観となっていて、見る人が不意にクスッとくるような内容になっているのでぜひ、ご覧ください。

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Miyuki Yasuzawa

デジタルハリウッド東京本校卒業後、今はフリーランスデザイナーです。主に動画制作、プロジェクションマッピング制作などをしていて、HP制作や英訳もたまにやります。宇宙と読書が好きです。

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