この記事では文化学園大学 ファッションクリエイション学科が主催で開催したファッションショー「自由」のVRギャラリー「“VR GALLERY” BUNKA GAKUEN UNIV. 36th Fashion Show」について紹介します。
文化学園大学 ファッションクリエイション学科の取り組みと、ファッションショーをVR展示にどのように落とし込んだのか紹介します。
文化学園大学 ファッションクリエイション学科について
文化学園大学は東京・代々木にあるファッション分野を中心に、文化創造を基本理念とした私立大学です。その服装学部 ファッションクリエイション学科は、ファッション×クリエイティブを掲げ、ファッション業界で活躍できる専門性と創造性を学べる学科となっています。
学科生は4年次に学科での集大成として、卒業研究とファッションショーを開催します。
ファッションショーは自分たちの自己表現としての作品を作るのだけではなく「記録する・書く・まとめる・プレゼンテーションする」という工程を学ぶこともできます。
今回紹介するVR GALLERYは一つの「記録」としても考えられます。
ファッションや作品において、どのようにアーカイブ化するかが情報社会において重要な役割を担っています。
メディアが多様化していく中で、画像や動画ではなく“VR”や“3DCG”を使うことで、どのように記録されているでしょうか。ファッションショーの記録映像を交えて読み解きます。
“VR GALLERY” BUNKA GAKUEN UNIV. 36th Fashion Showについて
シーンを立ち上げるとエントランスから始まります。
エントランスを進むとメインホールがあり、メインホールには各コレクションのブースが点在しています。
各ブースには3Dスキャンされた生徒のコレクションと、そのテーマに合わせたプロップス(小道具)が配置されています。
このコレクションはファッションショーで披露されたものです。
今回のファッションショーはテーマは「自由」。学生たちの各々の創造力が発揮されたコレクションとなっています。
本編の動画は以下となります。
各学生の個別のテーマもあり、それに沿って制作しています。
VR展示を観てみると、ブースにはテーマの名前は記載されていません。
入口には各ブースのテーマが記載されたマップが配置されています。
しかし、ブースにテーマの名称が記載されていないことによって、そのテーマがどういったものなのか、想像力を働かせることができます。
VRは自由に空間を観察することができるため、ブース内を自由に観察し、どういったものが配置され、コレクションとどういった関係性なのか?といったことを思索することができます。
このブースにはSupremeのスケートボードのデッキと、スキャンされたコンバースのオールスターが配置されています。これはどちらも「ストリート」を象徴するアイテムです。
そして制作されたコレクションには、スポーツを連想させる「スタジアムジャケット」があります。
ストリートや、スポーツがテーマでしょうか?
しかし、入り口のテーマ一覧をみてみると、この作品は「ドリーマー」でした。
夢に関する作品となっていることがわかります。
このようにして、想像を働かせながら能動的にブースを鑑賞し、実際のテーマと照らし合わせることによってどういった要素を見落としていたのか、作者の意図は何なのか?など、より視野を深く、広く鑑賞することができます。
奥にはExhibition Roomとして、残りの3Dモデル、デザイン、そして制作過程をまとめたティザームービーが配置されています。
これらの鑑賞体験はファッションショーとは違ったものとなっているでしょう。
それは同時に、ファッションを創造する側にとって「記録化」における新しいメディアの使い方となっています。
この作品はファッションとVRの展示の関連性を拡張するとても良い例と言えるのではないでしょうか。
VR×ファッションの多くは、3DCGで衣服を制作する、バーチャルアバターに着せる衣服などが主流となっています。しかし、それ以外の方法と視点でメディアとしてのVRを観察し、導入することで、ファッションとVRの関連性を拡げることができるのではないでしょうか。
この作品はその可能性を導き出しています。
シーン
ファッションとVRをどのように使用していくかについて紹介しました。
上記以外観点のみならず、じっくりと鑑賞することで、新しい発見があるかもしれません。
- スマートフォンから体験する STYLY Mobileをダウンロードし、シーンを立ち上げましょう。ダウンロードの方法は以下の記事を参考にしましょう。
作品のダウンロードが完了したら、以下の画像をクリックし、シーンにアクセスします。シーンページのQRコードを読み取ると、作品が鑑賞できます。