繊細で丁寧なテクスチャ
ドイツを拠点に活動するアーティストNadine KolodzieyさんによるAR作品「Root About」では、彼女が生み出したファンタジーな植物たちを体験することができます。
※作品が大きいので、十分な広さがある部屋または屋外で鑑賞することをお勧めします(屋外で鑑賞する場合は、周囲に障害物や人通り、車通りのない安全な環境を確保してください)。
何もない広場に現れたのは、大きな植物たち。丸みを帯びた色鮮やかなその見た目は愛嬌があふれています。細部まで丁寧に仕上げられているテクスチャは、実際の環境に反射し、そこに存在しているような現実感を私たちに与えてくれるでしょう。
このビオトープの中心では、人の形をした赤いフィギュアが回転を続けています。このフィギュアは、指でドラッグすると好きな場所に移動させることができます。
別の場所にやってきた赤い人形は、身長よりも大きな植物たちに囲まれながら回転を続けます。
実際の自然風景にすんなりと馴染むデジタルの植物たち。何が本物で、何がバーチャルなのか分からなくなってくるでしょう。
さまざまな質感を持つデジタルのオブジェクト。ガラスのようにみずみずしい茎、壊れそうで儚げな球体、ふかふかと柔らかそうな葉っぱ、ツルツルとした蔓など、アーティストによりデフォルメされた自然が新しい景色を生み出します。
ハイブリッドな共生
この作品では自然のイメージをオブジェクトとして構築し、バーチャル風景での経験を通して新しい方法で私たちがコミュニケーションを取り、理解し、繋がる機会を与えてくれます。タイトルの「root about」には、繋がったり根付くことのできる何かを探しているという意味が込められているそうです。
先ほど紹介した通り、赤い人形のフィギュアは指で掴んで操作ができるのですが、このようなインタラクティブ体験を通して現実とバーチャルの垣根を超えた繋がりをより一層感じさせてくれるでしょう。
そこに生まれる現実とバーチャルが組み合わさるハイブリットな空間で私たちは新たな自然を共有し、近い将来、そこで共に生きていくのかもしれません。
STYLY主催、ドイツ・ベルリンで行われたXR展示会 “Seed Systems”より。
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Edited by SASAnishiki