そこに何がうつるのか……?
ARをかざすとスマートフォンに映るのは……。
インタラクティブエンジニアのkiyotaka watanabeさんによる「うつる。 / 天井」は、体験するホラー映画というコンセプトをもとに制作されたAR作品です。
– 身の回りに潜む恐怖が具現化し、そこに「うつる」 –
映画や漫画などでよく見られる、ホラー作品。それらを思い浮かべると、なぜか「身近な」ものに潜むものが多くないでしょうか?私たちは日常の見慣れたものや場所をじっと見た時、ふと、どことなく恐怖を抱く。
そう、例えば、あなたの住み慣れた家の “”天井””などに。
そこに何かがいるかもしれない。そこにカメラを回したとき、そこになにか「うつる」かもしれない。そんな頭に浮かぶ、身近な恐怖を見える形に拡張し、体験できる作品です。
スマートフォンをかざすと、そこに映るのは床に広がる複数の血溜まり。画面越しの現実世界は仄暗く雑味が混ざり、まるでホラー映画を見ているような不気味さを感じさせます。
上から落ちてくる血の源を確認しようと天井を見上げると、なんとも気味の悪い黒いシミのようなものがあります。その黒い「何か」は徐々に収縮して消えてしまいました。
なんとなく違和感に気付いて床の方に視線を戻すと、大きな黒いシミから何か恐ろしいものがものすごい速さでこちらにやってきます……。
恐怖でおののいたのも束の間、スマートフォンの画面はノイズで覆われ、それ以上あの恐ろしい何かを確認することはできませんでした。あれは一体なんだったのでしょうか……。
体験するホラー映画
作品のコンセプトは「体験するホラー映画」です。
自分はARを使って作品を作る上で、「既存のメディア」を超えた、
それこそ、「AR」が映画や漫画のような一つの「ジャンル」としてのメディアを目指せるのではないか、と考えて制作をしています。
そのため、今作品では、映画、とりわけJホラーと呼ばれる映画の演出を参考にし、
「ARにしてはすごい」ではなく、「一つのホラー」としてみれる体験のクオリティを目指しました。
恐怖はスマホに、そして人々にうつる
Jホラーを代表する作品に「リング」があります。1998年に公開されたこの映画は、当時人々の生活に浸透していた「ビデオテープ」を介して呪いが拡散されていくという都市伝説のような設定で大ヒットし、社会現象を巻き起こしました。
時代は変わり、ビデオデッキもビデオテープも姿を消し、誰もがスマートフォンで動画を視聴し拡散することができる今。「リング」に出てくる貞子の呪いのビデオのように、SNSを利用した「感染っていく」恐怖体験としての意味合いが込められた本作品「うつる。」は、シリーズ作品の一つです。
これはこの作品群が広まり、実際に身の回りの様々な風景に「映し」体験していくこと。 そして体験した人がまたそれを人に伝えることで伝搬して作品が「感染る」こと。こうして生まれたホラーがある日ふいに自分のSNSのタイムラインに現れた時、それこそが新しいホラー映画誕生の瞬間でしょう。
ARシーン体験方法
スマートフォンからアクセスしてる方は、そのまま「シーンを体験する」ボタンをクリックしてください(※初めての方は以下の説明もご参照ください)。
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ARシーン体験方法については、以下の記事をご参照ください。
Edited by SASAnishiki