この記事ではアーティストの「Miguelangelo Rosario」が手掛けた「WDBR 2020 v7.0」について紹介します。
VRで体験するゴアトランスのパーティーと空間のアート性について紹介します。
Miguelangelo Rosarioについて
Miguelangle Rosarioはベルリンで活動するメディアアーティストです。
サイケデリックな空間・アートをベースにしたVR作品・AR作品を制作しています。
また、Miguelangelo Rosarioは、XRアートプロジェクト「Off the Wall」の主催のひとりでもあります。
各国のXRアートがSTYLYにアップロードされています。
HP : https://off-the-wall.yolasite.com/index-english.php
STYLY : https://gallery.styly.cc/creator/offthewall
WDBR 2020 v7.0について
シーンを立ち上げると、神殿のような空間が広がっています。
しかし、神殿における「荘厳さ」よりも「煌びやか」と称したほうが相応しい「異質性」がそこにはあります。
その神殿には彩度が高いカラーリングのオブジェクトが広がる、刺激的な空間となっています。
そして流れている音楽はトランスミュージック。
この世界観は、トランス・カルチャーに基づいて制作された空間だと考えられます。
その中でも、この独特なヒッピー・サイケデリックのアートは「ゴアトランス」のカルチャーから由来していると読み取れます。
ゴアトランスとは、インド、西海岸の観光都市「ゴア」で発展したトランスのレイブカルチャーです。サイケデリック/アシッドなアートワークを軸に、パーカッシブやインド音楽などが使われたトランスミュージックが軸となったパーティーと、その文化圏を指します。
ゴアトランスの大きなフェスの一つに「HillTop Festival」というものがあります。
動画にもあるように、巨大なテントのような空間に覆われた場所でDJがトランスを流しています。
WDBR 2020 v7.0でも、同じように神殿をサイケデリックな柄のテントで覆われています。
ゴアトランスのパーティーに限らず野外などで開催されるレイブパーティーの多くは、音楽とダンスを通して一体感を感じていくうちに、他者や空間と自己の境界が曖昧になり、エクスタシーに到達する体験を提供しています。
その体験をより強固なものとするために、会場の装飾や空間演出を通してパーティーをより豊かなものにしています。そういったレイブカルチャーのなかでも、ゴアトランスはよりサイケデリックスを強調し、宗教性などを経由して一つの文化へと昇華されていきました。
VRは3DCGを使うことによって、クリエイターが現実には表現できない空間を制作し、観客はその空間を体験することができます。
VRの「空間への没入体験」としてのメディア性は、サイケデリックカルチャーと親和性がとても強いです。
WDBR 2020 v7.0は、そのメディア性をうまく利用した作品です。
空間と音楽のサイケデリックを存分に楽しめる空間となっています。
現在においてはVRやメタバースの考え方が普及し、バーチャルパーティーやイベントがたびたび開催されています。
今後、もしゴアトランスがバーチャル上で開催されたら、WDBR 2020 v7.0はその先駆けやきっかけとなる作品とも感じ感じつつ、未来のレイブやパーティーに期待を寄せています。
シーン
ゴアトランスのパーティーを軸に、作品について解説しました。
上記以外の観点のみならず、じっくりと鑑賞することで新しい発見があるかもしれません。
- スマートフォンから体験する STYLY Mobileをダウンロードし、シーンを立ち上げましょう。ダウンロードの方法は以下の記事を参考にしましょう。
作品のダウンロードが完了したら、以下の画像をクリックし、シーンにアクセスします。シーンページのQRコードを読み取ると、作品が鑑賞できます。
- PC / VRからシーンを体験する
以下の画像をクリックするとSTYLY GALLERYのシーンのページへアクセスします。機器を選択し、体験しましょう。