バーチャル空間上の同人誌即売会「ComicVketZero」(以下コミックVケット)が、2020年4月10〜12日に開催されました。
STYLYもコミックVケットの会場の1つになっており、VRアプリだけでなくWebブラウザからも入場でき、またARアプリでブースを呼び出せるなど、さまざまな方法でアクセスできる会場となっていました。
しかし、他の会場とは異なり、自身のアバターを使って会場に入場することは基本的にできませんでした。けれども、STYLYの会場でも(疑似的にですが)アバターを使って参加する方法はあります。 今回はその方法を過去の記事をふまえてご紹介したいと思います。
※ComicVketZeroのSTYLY会場は現在非公開にしてありますが、2020年8月13〜16日に「ComicVket 1」が開催されるのでその際の参考にしていただければと思います。
STYLYの会場でもアバターを使いたい
STYLYのVRアプリにはアバター機能はありません。
アバターを利用してVR空間でコミュニケーションをとることが重視されているVRChatやclusterとは異なり、現在のSTYLYは1人でVR空間を体験することが前提となっているためです(マルチプレイ機能は現在開発中です)。
そのため、STYLYの内部ではアバターを利用できません。 しかし、STYLYの空間の中にアバターを自然な形で合成し、実際にその空間の中でアバターを動かしているかのような映像を制作することはできます。
バーチャルモーションキャプチャーとLIVという2つのアプリを使うことでそのような表現が可能となるので、これらのアプリを利用してSTYLYのコミックVケット会場にアバターで(疑似的に)参加してみたいと思います。
バーチャルモーションキャプチャーでアバターを表現する
VR機器を使ってアバター(3Dモデル)を動かすアプリに、「バーチャルモーションキャプチャー」というものがあります。
このアプリはVRゲーム(VRアプリ)と同時に起動することができるので、VRゲーム中の自身の動きをアバターを通じて表現するという用途にとても向いています。有名なVtuberがVRゲームのプレイ動画で使用したこともあるアプリですが、無料で利用できます。
今回はこのアプリを利用してアバターを動かしたいと思います。
▼バーチャルモーションキャプチャーについてはこちらをご覧ください。▼
LIVでアバターとSTYLYの空間を合成する
しかし、たとえバーチャルモーションキャプチャーでアバターを動かすことができたとしても、それはあくまでバーチャルモーションキャプチャーのレンダリング画面上でアバターを動かしているにすぎません。
バーチャルモーションキャプチャーの画面上に表示されたアバターと、STYLYのVRアプリで表示されるVR空間を合成することによって、STYLYのコミックVケットの会場にアバターで来場するという表現が成立します。
そこで今回は「LIV」というアプリを利用して、アバターとSTYLYの空間の合成をおこないます。
本来は実写映像とVRゲーム映像を合成してMR動画を作るためのアプリなのですが、今回はこのようなMR動画を作成する機能を応用して使っていきます。
▼LIVでアバターとSTYLY空間を合成する手順は過去の記事で詳しく解説しているので、こちらをご覧ください。▼
STYLYのVRアプリをLIVから起動する
バーチャルモーションキャプチャーとLIVの設定が終わったら、あとはLIVからSTYLYのVRアプリを起動するだけで、アバターとSTYLYの画面が自動的に合成されます。
単純な合成とは異なり、VRアプリ内のプレイヤーとカメラとの位置関係も反映された合成なので、プレイヤーとカメラの間にある物体はちゃんとプレイヤーの手前に表示されます。
LIVのアウトプット画面にはバーチャルモーションキャプチャーとSTYLYのVRアプリの画面を合成した映像が出力されているので、これをOBSなどのキャプチャーソフトで取り込めば、動画撮影や配信ができるようになります。
コミックVケットのSTYLY会場にアバターで入場してみた
ここからは先ほどご紹介した方法を使って、実際にコミックVケットのSTYLY会場に入場した様子をお伝えしたいと思います。
実際のスタート位置とは違いますが、せっかくなので2階から入場してみました。
天井が高くて開放感があります。
たくさんのブースが並んでいて、とても賑やかな雰囲気ですね。
記念撮影にもってこいの場所です。
テレポート移動なのでVR酔いの心配は少ないです。
「バーチャルマーケット4」や次回の「ComicVket 1」の告知も。
VR空間がイラストや漫画の発表の場として広く利用されるようになる予感がします。
ブースがたくさんあるので見て回るだけでも楽しいです。
STYLY会場では実際に見本誌をめくって読めるのがいいですね。本をめくるアニメーションがあるので本物の雑誌を読んでいるみたいです。
最後尾の札があったりして色々遊べそうなスペースです。
出展者さんを含め、すべての関係者の皆様に感謝を!
最後に
今回は「ComicVketZero」のSTYLY会場にアバターで(疑似的に)参加する方法と、実際に参加してみた様子をお伝えしました。
残念ながら「ComicVketZero」は既に閉会していますので、おそらく今回ご紹介した内容は2020年8月13〜16日に開催される「ComicVket 1」でお試しいただけることになると思います。
VRChat会場とcluster会場ではアバターでの参加が可能である分、それができないSTYLY会場はアバター利用者にとっては物足りない面もあったと思われますが、この記事で紹介した方法では使用できるポリゴン数やマテリアル数の制限を気にせずに好きなVRMモデルが使用できるというメリットもあるので、ぜひ試していただきたいと思います。