Blenderで作業するにあたりモディファイアツールという機能は大変便利です。
直接オブジェクトの形を変更するわけではないため、設定を適用するまで非破壊のまま何度もやり直したり微調整を行えます。
機能をいくつも組み合わせたり加工の順番を変えて理想通りのオブジェクトを作りましょう。
モディファイア一覧
モディファイアのカテゴリーは主に4つに分かれていて、それぞれさらに細かい機能が備わっています。
今回紹介するモディファイアはバージョン2.92.0のものです。
Modify(変更)
別なオブジェクトへUVを投影したり形を変更するなど、オブジェクトに変更を与える場合に使う機能です。
- Data Transfer(データ転送)
- Mesh Cache(メッシュキャッシュ)
- Mesh Sequence Cache(メッシュ連番キャッシュ)
- Normal Edit(法線編集)
- Weighted Normal(重み付き法線)
- UV Project(UV投影)
- UV Warp(UVワープ)
- Vertex Weight Edit(頂点ウェイト編集)
- Vertex Edit Mix(頂点ウェイト合成)
- Vertex Edit Proximity(頂点ウェイト近傍)
Generate(生成)
オブジェクトをねじったり個数を増やしたり、形状を変更する時に使われます。
- Array(配列)
- Bevel(ベベル)
- Boolean(ブーリアン)
- Build(ビルド)
- Decimate(ポリゴン数削減)
- Edge Split(辺分離)
- Geometry Nodes(ジオメトリノード)
- Mask(マスク)
- Mirror(ミラー)
- Multiresolution(マルチレゾリューション)
- Remesh(リメッシュ)
- Screw(スクリュー)
- Skin(スキン)
- Solidify(厚みづけ)
- Subdivision Surface(サブディビジョンサーフェス)
- Triangulate(三角面化)
- Volume to Mesh(メッシュのボリューム化)
- Weld(溶接)
- Wireframe(ワイヤーフレーム)
Deform(変形)
表面を滑らかにしたり別なオブジェクトへ形を沿わせたりして、オブジェクトを変形させます。
- Armature(アーマチュア)
- Cast(キャスト)
- Curve(カーブ)
- Displace(ディスプレイス)
- Hook(フック)
- Laplacian Deform(ラプラシアン変形)
- Lattice(ラティス)
- Mesh Deform(メッシュ変形)
- Shrinkwrap(シュリンクラップ)
- Simple Deform(シンプル変形)
- Smooth(スムーズ)
- Smooth Corrective(スムーズ(修正))
- Smooth Laplacian(スムーズ(ラプラシアン))
- Surface Deform(サーフェス変形)
- Warp(ワープ)
- Wave(波)
Physics(物理)
風になびく布やグラスに注がれる水など、現実世界に存在する重力や時間の計算を必要とするオブジェクトの物理的な動きを制御する機能です。
- Cloth(クロス)
- Collision(コリジョン)
- Dynamic Paint(ダイナミックペイント)
- Explode(爆発)
- Fluid(流体シミュレーション)
- Ocean(海洋)
- Particle Instance(パーティクルインスタンス)
- Particle System(パーティクルシステム)
- Soft Body(ソフトボディ)
アニメーションでモディファイア機能を使用したオブジェクトをSTYLYなど外部のサービスやソフトへエクスポートする際、手順を踏む必要がある上データ容量が大きくなってしまいます。
そして機能によってはBlenderでしか使用できないものあるので、注意が必要です。
本記事は、筆者がBlenderでよく使うGenerateモディファイアから3つの機能を紹介します。
GenerateーArray(配列)
複数個の同じオブジェクトを等間隔で配置する際に使用します。
Fit Type(Fixed Count) | Countの数だけオブジェクトを増やす |
Fit Type(Fit Length) | Lengthの長さに収まる数のオブジェクトを増やす |
Fit Type(Fixed Curve) | 指定したカーブの長さに収まる数のオブジェクトを増やす |
Relative Offset | オブジェクト同士の距離を設定 |
Constant Offset | オブジェクトの原点同士の距離を設定 |
Object Offset | 指定した別なオブジェクトの角度や大きさを反映 |
Merge | 増やしたオブジェクト同士を結合 |
UVs | 複製したオブジェクトのUVのオフセットを設定 |
Caps | Start/Endそれぞれに別なオブジェクトを配置 |
Relative OffsetやConstant Offsetでは、それぞれの軸となる方向のX,Y,Zを同時に指定することも可能です。
Object Offsetは、指定したオブジェクトの角度や大きさを変更することで、その変更具合をArrayを使用したオブジェクトにも反映させることができます。
例えばZ軸に45度回転させたキューブを指定した場合、連なったスフィアも45度回転しています。
GenerateーBevel(ベベル)
オブジェクトの角ばった辺を滑らかにする機能で、「面取り」とも呼ばれます。
機械やプロダクトなどのモデリングでよく使用されます。
Vertices/Edges | 頂点のみ/頂点と辺 |
Width Type | ベベルの量を定義するワイド |
Amount | べベルを適用する幅 |
Segments | べベル部分のセグメント数 |
Limit Method | メッシュのどこにベベルを適用するかを制御 |
Angle | 隣接する面の角度+値=180度以下のエッジのみを面取り |
Profile(Superellipse) | ベベル部分の凹凸具合の値を設定 |
Profile(Custom) | ベベル部分の凹凸具合をさらに細かく設定 |
ベベルは主にAmountとSegmentsで設定します。
Amountの値が大きいほどベベルの適用される幅が広くなり、Segmentsはその幅をどれほど細かく分けるかの値を設定します。
Superellipseを選択すると0.0〜1.0の値を、Customを選択するとさらに細かく設定します。
複数の頂点が重なっているとベベルが使用できません。
そんな時はAで全選択したのち、M→By Distanceを選択しましょう。
頂点の重なりが解消されます。
GenerateーBoolean(ブーリアン)
この機能は、重なった2つのオブジェクト同士をくりぬいたり統合させることができます。
Intersect | 交差 |
Union | 統合 |
Difference | 差分 |
Operand Type | 1つのオブジェクトかコレクションどちらかを選択 |
Object | 影響を受けるオブジェクトを追加 |
Intersect(交差)は、キューブと重なった部分以外のスザンヌが引かれます。
Union(結合)は2つのオブジェクトが接する部分で1つに結合します。
Difference(差分)を使用するとキューブの形にくり抜かれます。
次回の記事ではGenerateから、Build/Decimate/Edge Splitを紹介します。