この記事は「地下に潜むXRの庭園─SEED SYSTEMS in Berlin 展示ルポタージュ(前編)」の後編です。
前編の記事は以下のリンクから覧いただけます。
Varigate, Varigated(AR作品)
タブレットをかざすと最初に現れてくるのは半球構造をしたグリーンハウス。近付くとその中に入ることができます。吹き荒れる嵐の中で激しく揺れる木々たち。その過酷な環境とは対照的に、縞模様の球体がグリーンハウスの周囲を衛星のように回転しています。
この独特なビオトープを包み込むのはアンビエントな音楽。不思議な電子音の遊びは、時間と共に変化しループしていきます。
Matthew D. GanttによるAR作品「Varigate, Varigated」は、ブライアン・イーノ(アンビエント音楽の開拓者)の提唱したジェネレーティブ・エレクトロニック・ミュージックを参考に、その音楽の構造と植物の突然変異に共通する「儚い瞬間」から生み出される予測不能なものをテーマとして扱っています。
Root About(AR作品)
こちらの作品では、さまざまな質感を持つオブジェクトに出会うことができます。ガラスのようにみずみずしさを持つ儚げな球体や柔らかそうな蔓、固そうな葉っぱなど自然がイメージされるような形をしています。
中央にある赤い人形のフィギュアは指で掴んで操作することができます。インタラクティブな体験ができるAR作品です。
Nadine Kolodzieyによる「Root About」では自然のイメージを技術化し、仮想風景での経験を通して新しい方法で私たちがコミュニケーションを取り、理解し、繋がる機会を与えてくれます。
Perception of Wine(VR作品)
バグダッド電池というものをご存じでしょうか。現在のイラク・バクダッドで発見された土器の壺で、酢やワインを入れて発電していたといわれています。(諸説あり)
イラン出身のアーティストMohsen Hazrati によるVR作品「Perception of Wine」ではバーチャル上でワインを代替エネルギー源として電子機器を発光させます。
ネオン色に光るディスプレイや無数に散らばるLEDライト、電子部品。技術化された日常生活を象徴するものたちで構成されたこの構造物は、階段を伝い上の方まで登ることができます。
ワインはお酒として楽しむ以外にも料理に使われたり、血を象徴したりと、様々な機能や概念を持ち合わせますが、バグダッド電池におけるワインに注目したこの作品はこれから先の科学技術の進歩や電気エネルギーの発展を象徴しているでしょう。
展示以外にも様々なイベントが!
展示初日の9日夜は、開催を記念してオープニングパーティーが行われました。
作品をいち早く体験しようと集まった人たちでいっぱいです!
そして展示期間中は毎週アーティストトークイベントが行われ、その都度盛り上がりを見せました。
まとめ
ドイツに限らずグローバルな6名のアーティストたちが、共通言語であるSTYLYと自然を通して様々な美意識や知覚をこれでもかと表現した素晴らしい展示でした。
アプリを通して是非、自室に庭園を作るような気持ちで体験してみてください。
VRシーン体験方法
スマートフォンからアクセスしてる方は、そのまま「シーンを体験する」ボタンをクリックしてください(※初めての方は以下の説明もご参照ください)。
クリック後、以下の画面が表示されます。
スマートフォン版STYLYをすでにダウンロードしている場合「Continue on Browser」を選択してください。
そして「Play on Mobile App」を選択するとシーンを体験できます。
HMDデバイスをお持ちの方は、PC(Webブラウザ)から「シーンを体験する」ボタンをクリック後、シーンページのVRアイコンをクリックしてください。
スマートフォン版STYLYをダウンロードする
Steam版STYLYをダウンロードする
https://store.steampowered.com/app/693990/STYLYVR_PLATFORM_FOR_ULTRA_EXPERIENCE/
Oculus Quest版STYLYをダウンロードする
https://www.oculus.com/experiences/quest/3982198145147898/
シーン体験方法の詳細を知りたい方
VRシーン体験方法については、以下の記事をご参照ください。
Edited by SASAnishiki