空間から召喚される楽器「Draw & drag future instruments」:キンミライガッキ現代支部

 

シンボルを描いて召喚される楽器たち

空間に特定のシンボルを描いて「キンミライガッキ」を召喚するこのAR作品では、召喚した楽器を演奏することができます。

画面の中央に現れるオレンジ色の丸いアイコンを押しながら、空間に線を描くようにデバイスを動かします。

円を描くとドラム、直線は弦楽器、そしてジグザグ(雷型)はスパーク音が召喚されます。それぞれの楽器は画面越しにタッチしたりスマホを直接当てることで奏でられ、その音色は描くシンボルの大きさによって変えることができます。

※作品が大きいので、十分な広さがある部屋または屋外で鑑賞することをお勧めします(屋外で鑑賞する場合は、周囲に障害物や人通り、車通りのない安全な環境を確保してください)。

円のシンボルを描くと、ドラムを召喚することができます。

大きなドラムを召喚したい場合は大きな円を、小さなドラムを召喚したい場合は小さな円を描くことで違った大きさの楽器を楽しむことができます。

直線を引くと、弦楽器を召喚することができます。

それぞれの楽器は、画面上で直接タップしたり、デバイスを近づけることで演奏することができます。たくさんの楽器を召喚すれば、オーケストラのような演奏も可能かもしれません。遊び方は無限大に広がります。

「キンミライガッキ」とは

アーティストのキンミライガッキ現代支部さんは「時空間」と「楽器」をテーマにしたアートプロジェクトとして、この作品を制作されました。

また、これらバーチャル上で見ることのできるキンミライガッキたちにはオリジナルの実作品があり、そこから創り出された「ある種のデジタルツイン」をARで表現されているとのことです。

オリジナル作品はこちら。

 

メカトロニクス、科学、身体研究といった多分野の要素を組み合わせ、全く新しい楽器「キンミライガッキ」を開発し、皆様に還元します。 開発した作品は、時空間をテーマにした世界観のキャラクター達の元、メディアアート展示、ライブパフォーマンス、ワークショップ、販売等に活用。 「キンミライガッキ」を用いて新たな音楽表現を追求することにより、難しい技術をエンターテイメントの枠組みで紹介します。 2021年には、自動演奏楽器「TIME⇆MACHINEシリーズ」を製作しライブプロジェクトをスタート。国内で2つの公演を実施し1つの賞を受賞。今後は、「疑似生命を模した自律演奏楽器」としてのアップデートを準備中。

NEWVIEW公式ホームページより

その他にも、“全時間軸、いろんな時代でやってる楽器屋”として、“未知のガッキを、別の時間から持ち込み販売”されているそうです(キンミライガッキ公式ウェブサイトより)。

イデア空間で奏でるAR楽器

キンミライガッキはなぜ制作されたのでしょうか?
作者は以下のように語っています。

ARという、個人個人それぞれの端末から覗ける世界は、各々の環世界であり、物質化以前のイデア空間に近いと考えています。

NEWVIEW公式ホームページより

例えば、動物の血を吸って生き永らえるマダニの世界には色も音も存在せず、動物の存在を感じる温度感覚・嗅覚・触覚だけが世界を構成しています。このように生物はそれぞれの知覚を持っているので、人間とマダニは同じ世界に生きていても、それぞれ全く異なった世界を見ているのです。

環世界という概念を生み出したドイツの生物学者ユクスキュルによると、“すべての動物はそれぞれに種特有の知覚世界をもって生きており、それを主体として行動している”とのことです(Wikipediaより)。

マダニの環世界があるように、スマホという端末を通じて覗ける環世界があるのだとしたらどうでしょうか?
私たちが普段使っているスマホなどの端末は、それぞれ個人の見たい世界を見せてくれます。気になることを検索し、好きなコンテンツに気軽にアクセスし、繋がりたい人たちと繋がる。それぞれの知覚と欲求がすぐに反映される情報の世界において、端末は独自の環世界を作り上げる重要なアイテムとなるでしょう。

体を動かしながら端末で楽器を生み出し、それぞれ違った環境の中で演奏を体験できる、しかし物理的に存在することのない「キンミライガッキ」。時空を超えるその音色は、私たちの今いる現実世界を振動させながら、人間の環世界では感じられなかった「イデア」を気付かせようとしているのかもしれません。

 

ARシーン体験方法

スマートフォンからアクセスしてる方は、そのまま「シーンを体験する」ボタンをクリックしてください(※初めての方は以下の説明もご参照ください)。
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ARシーン体験方法については、以下の記事をご参照ください。

Edited by SASAnishiki