この記事ではNEWVIEW CYPHER 2021に参加したアーティストの「村田 実莉」さんの作品「210731_VR01_MINORIMURATA」についてレビューをします。
NEWVIEW CYPHERはXR活動以外の場で活躍するアーティスト・クリエイターがSTYLYを使ってXRを制作するプロジェクトです。
12名のアーティスト・クリエイターが参加し、そのシーンのレビューをPick Up Sceneで取り上げていきます。
村田 実莉さんについて
1992年生まれ。ビジュアルアーティスト、デザイナー。
グラフィックデザインからモーショングラフィックス、アニメーション、空間演出まで多岐に渡り視覚表現の制作を行う。大坂なおみが出演するNikeのキャンペーンフィルム“JUST Do IT.”や、CHAIのMV「NO MORE CAKE」、RED BULLが主催するサイファーリレー「RASEN螺旋」など手がける。
HP : https://yeahwow.jp/
Instagram : https://www.instagram.com/survival_dance
過去の制作にはDIESEL ART GALLERYにて開催された「imma天」のビジュアル、会場のディレクションがあります。
“210731_VR01_MINORIMURATA”について
この作品は映像を筒状のオブジェクトに貼り付けた空間を舞台としています。
複数のオブジェクトが重なり合うことによって、多層のレイヤーと化しています。
泡の空間、夕方、青空、ビル群の空などさまざまなレイヤーが重なることによって、空間自体も多様化しています。
VRの空間を構築するためには、空や壁などが必要となります。しかし、背景モデリングなどをすると3DCGデザインの専門的な知識が必要ですが背景を映像に置き換えることによって、動的な背景が表示され、効果的に情報量のある空間を構築することができます。
2Dの作品を取り扱うアーティストは参考になるのではないでしょうか。
その空間を使ってどのように作品を魅せるかが、制作のポイントとなります。村田さんはこの空間にいくつかの記号を配置しています。
その一つはピンクのゴリラです。
このピンクのゴリラは空間と空間を繋いでいます。その表現は、レイヤーを繋ぐ存在のように見えます。
次元を超えた存在として配置され、その異質性からゲームのバグのようにも捉えることができます。
その意味は何を示しているのでしょうか。また、空間のサイドにはDNAのオブジェクトが配置されています。
ピンクのゴリラは空間のレイヤーを超えて、次元をつなぐ存在です。その象徴としてのDNAは子孫を表しているのでしょうか。
生物はDNAを介して、空間と時間を超えて血筋をつなげていきます。
この作品自体はそのように連想させられます。
空間の外側には墓地が配置されています。果たしてその真意は一体なんでしょうか。疑問をいくつも問いかけてきます。
映像を使用して空間を構築し、3DCGを効果的に配置することで作品自体が大きな記号となっています。その記号をどのように解いていくのかがこの作品の鑑賞の一番の楽しみでしょう。自分なりに解釈し作品を拡張させてみましょう!
シーン
映像を使用した空間の構築からはじまり、作品の記号性について紹介しました。
上記以外の観点のみならず、じっくりと鑑賞することで新しい発見があるかもしれません。
- スマートフォンから体験する STYLY Mobileをダウンロードし、シーンを立ち上げましょう。ダウンロードの方法は以下の記事を参考にしましょう。
ダウンロードが完了したら、以下の画像をクリックし、シーンにアクセスします。シーンページのQRコードを読み取ると、作品が鑑賞できます。
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