この記事ではNEWVIEW CYPHER 2021に参加したアーティストの「Sadakata」さんの作品「Males」についてレビューをします。
NEWVIEW CYPHERはXR活動以外の場で活躍するアーティスト・クリエイターがSTYLYを使ってXRを制作するプロジェクトです。
12名のアーティスト・クリエイターが参加し、そのシーンのレビューをPick Up Sceneで取り上げていきます。
Sadakataさんについて
オルタナティブポップバンド「tomodati」やエレクトロバンド「gato」のメンバーとしてVJ/Cho/Voを担当。
また所属バンド活動と並行で「Last Electro」「4s4ki」「SPENSR」などのステージに参加しVJ演出を担当。
恵比寿LIQUIDROOM・Zepp Haneda・WITH HARAJUKU HALL・STUDIO COASTなど23歳の若さにして多様なステージでVjを行っている。
その他、tomodati、gato、4s4ki、asobi、Kycoh、などのMusic VideoやTeaser等の撮影、編集、ディレクションなども手掛けるVJ/ヴィデオアート界期待の新鋭。
Twitter : https://twitter.com/877887_hana
Instagram : https://www.instagram.com/sadakata_hana/
HP:https://sita.jp/management-agent/sadakata/
音楽を起点としながら、映像演出で表現を拡張しています。過去の制作にはアーティストの4s4kiのMVを制作しています。
“Males”について
このシーンは、全天球状のドームにSadakataさんがVJで使用する映像が流れます。
内側は「地獄」がテーマとなっており、赤黒カラーを基調としたオブジェクト群が空間を演出しています。
蝶やパーティクル、炎が空間を彩り、水面の反射によって立体感が強化されています。地獄を連想させるおぞましさだけでなく、カラーコントラストによって美しさも演出されています。
ドームの映像は音に合わせてグリッチやアブストラクトの映像が切り替わっていき、観る人に強い印象を与えます。2Dの映像で作られた“天”と、3DCGでテーマを構築する“地”。2つの要素の組み合わせによって1つの空間が構築されています。
通常、ライブ演出などにおけるVJはライブハウスやクラブの空間上、LEDモニターやプロジェクターで投影されます。そのため映像は平面上に投影されます。
しかし、Malesは3DCGの自由さを活かし、平面上に投影するのではなく全天球状に投影しています。現実では表現することが難しい状態を3DCGを使うことで実現しています。
映像は平面でなくてはならない、という固定概念を超越し、映像で空間を構築することに挑戦した作品として鑑賞することができます。この試みは映像をどのように取り扱うかが読み取れます。
VJは用意されたモニターやプロジェクターなどに映像を投影するのが従来の役割でした。しかし、昨今ではバーチャルライブやバーチャルクラブといった仮想空間・VR上で音楽体験ができるプロジェクトが増えています。
それらのバーチャル空間は、0から空間を制作します。現実空間のように平面上にモニターを設置し、VJが映像を投影することはもちろん可能ですが、Malesのように、VJの映像自体が空間を作ることも可能ではないでしょうか。
それにより、バーチャル空間における音楽体験を現実空間の模倣ではなく、バーチャルならではのオルタナティブの体験を生み出せるのではないでしょうか。Malesはその可能性を見出すきっかけとなる、そのように鑑賞できます。
シーン
VJとバーチャル空間の今後について紹介しました。
上記以外の観点のみならず、じっくりと鑑賞することで新しい発見があるかもしれません。
- スマートフォンから体験する STYLY Mobileをダウンロードし、シーンを立ち上げましょう。ダウンロードの方法は以下の記事を参考にしましょう。
作品のダウンロードが完了したら、以下の画像をクリックし、シーンにアクセスします。シーンページのQRコードを読み取ると、作品が鑑賞できます。
- PC / VRからシーンを体験する
以下の画像をクリックするとSTYLY GALLERYのシーンのページへアクセスします。機器を選択し、体験しましょう。