余白に配置されたカオス「death don’t die」:yunbomu

この記事では3Dアーティストの「yunbomu」さんの作品「death don’t die」について紹介します。

yunbomuさんはグラフィックデザイナー、イラストレーターとして活動しています。NEWVIEW CYPHER 2021に参加し、はじめてVR作品を制作しました。

最初にyunbomuさんの作家としてのキャリアを紹介し、次に、作品の鑑賞ポイントを筆者の考察を踏まえて紹介します。

この記事を読むことで、より作品を楽しめるでしょう。

death don’t die

 

yunbomuさんについて

yunbomu

1993年釜山生まれ。東京造形大学卒業。グラフィックデザインもやったりペインティングもやったり。第17回”1_WALL” グラフィック部門 ファイナリスト。

(NEWVIEW CYPHER 公式サイトより引用 https://newview.design/cypher )

2017の第17回グラフィック「1_WALL」展では、自分の家をモチーフに自己について描いた作品を制作しています。

 

独特な触感のグラフィック、イラスト、絵画は余白と無機質さを孕みながらも、迫りくるものがあります。

death don’t dieについて

yunbomuさんの最近の作品に多くはデジタルデータとして制作されています。

PhotoshopやIllustrator等で描かれた抽象的なオブジェクトや人の画像をベースに空間が構築されています。

抽象的

特徴的なタッチで描かれるオブジェクトや人のイメージは、どこか不気味でありながらも、強い印象を与えます。

コラージュ的に2D、3Dのオブジェクトが空間に配置され、背景の黒みがかった赤の色が世界観を引き立てます。

タイトルは「death don’t die」、直訳すると「”死”は死なない」。

過去には「The dead don’t die」と題したZINE作品も制作しています。

 

 
 
 
 
 
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死んだ人は死なない。私が住んでるところはそんなところ。
(yunbomuさんのインスタグラムより引用 https://www.instagram.com/p/Ca9yA-cPMSC/?utm_source=ig_web_copy_link

過去の作品含めて、yunbomuさんは自分の生活の周辺を一つの世界として捉え、作品にしています。

yunbomuさんは東京在住です。東京はとても整備された街です。道路は舗装され、家やマンション、アパートもしっかり建っています。

コンビニは24時間開いており、生活に不自由することはありません。

しかし、yunbomuさんの作品に表象されているイメージを、ポジティブなものとして捉えるのは難しいです。

不気味さ。

筆者である私は鑑賞していた時、そのカラーリングやオブジェクトの配置から「地獄」を想像しました。

日本で描かれてきた地獄絵画の多くは、炎に包まれて、人が地獄の罰を受けている画を俯瞰的に描いています。

yunbomuさんの作品も一つの広い空間に、さまざまな人の様子が描かれています。

地獄図と違うのは3次元的にオブジェクトが配置されることで、空間に余白が描かれています。

その余白こそ、「空虚」であり、空間全体を「カオス」に仕立てるイメージです。

余白に配置されたカオス

yunbomuさんが描く社会の不安定さ、いらだち、不気味さなどは、オブジェクトだけでなく、余白や描かれていない部分に、にじみ出ています。

それはVRの作品だけではなく、普段描いている2Dのグラフィックにも多くの余白があります。

 

 
 
 
 
 
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白を基調としているからこそ、浮かび上がるオブジェクトたちの不気味さ。

その不気味さは現代社会のカオスを描いていると感じ取れます。

VRシーン体験方法(本作品はHMD/VR体験を推奨)

HMDデバイスをお持ちでPCからアクセスしてる方は、以下の「シーンを体験する」ボタンをクリックしてください(※初めての方は以下の説明もご参照ください)。

PC(Webブラウザ)から「シーンを体験する」ボタンをクリック後、シーンページのVRアイコンをクリックしてください。

スマートフォンからアクセスしてる方は、上記の「シーンを体験する」ボタンをクリックしてください。
*スマートフォンでは作者の意図した体験を再現できない場合があります。

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VRシーン体験方法については、以下の記事をご参照ください。