この記事では、Blenderの有料アドオン「Auto-Rig Pro」を用いてキャラクターモデルを動かす方法についてご説明します。
Auto-Rig Proとは
Auto-Rig Proとは、3Dモデルに自動でリグを付与し、3Dモデルに動きをつけやすくするBlenderの有料アドオンです。キャラクターモデルだけでなく、動物や昆虫など、さまざまなモデルに利用できます。
Auto-Rig Proは、以下のリンク先にて販売されています。
キャラクターを動かす
Auto-Rig Proを用いて実際にキャラクターモデルを動かしてみましょう。
今回使用しているBlenderのバージョンは2.81、Auto-Rig Proのバージョンは3.46です。
アドオンの読み込み
アドオンの購入・インストール方法については以下の記事をご覧ください。
なお、このアドオンはダウンロードしたzipファイルを一度展開する必要があります。
インストールするファイルはこのうち、以下の2つになります。
- auto_rig_pro-master.zip
- proxy_picker.py
モデルの読み込み
今回はVRoidのモデルに元から入っていたボーン・コリジョンのデータを削除して利用しました。VRMモデルを利用する場合は、以下の記事をご覧ください。
Blender上で制作した自作モデルであれば、そのままで問題ありません。
ボーンの位置を指定する
まずはモデルを選択します。このモデルの場合は髪以外のパーツを全選択しています。
ボーンの位置は、モデルの体積をもとに決められるため、髪や大きな装飾品はこの時点では選択せず、身体の基本構成パーツを選択すると良いです。
Nキーを押すと表示されるプロパティ・シェルフから、「ARP」のAuto-Rig Pro:Smartを開き、「Get Selected Object」をクリックします。
「Add Neck」をクリックすると、Neck(首)の位置を指定するポインタが表示されるので、首の位置に移動させます。
同様の手順で、Chin(顎)、Shoulder(肩)、Wrists(手首)、Spine Root(背骨の末端)、Ankle(足首)の位置を指定していきます。
なお、この時Y軸方向(奥行き)を調整する必要はありません。
今回は顔のリグは設定しないので、このまま「Go!」を選択します。
すると、自動でボーンが生成されます。メッシュに沿ってY軸方向の位置も自動調整されています。
ボーンに問題がなければ、Auto-Rig Proの項目にある「Match to Rig」をクリックします。
すると、ボーンをもとにリグが自動生成されます。
モデルと紐付ける
この時点ではモデルとリグは紐ついていないので、リグをポーズモードで動かしてもモデルは動きません。
オブジェクトモードでモデルの全パーツを選択した上で、最後にShiftキーを押しながらリグを選択し、「スキン」タブの「バインド」をクリックします。
リグを選択した状態でポーズモードに切り替えると、移動(Gキー)や回転(Rキー)を使ってリグを動かし、ポーズをつけられるようになります。
ポーズモードでリグを移動・回転させた時にモデルが追従して動けば成功です。
実際に動かしてみる
いろいろ動かして見ましょう。
なお、ポーズモードでポーズをつけた後で元に戻したい時に、Ctrl+Zキーを使うとボーン配置が崩れることがあります。元の位置に戻したい時はAlt+Gキー、元の回転に戻したい時はAlt+Rキーを使って戻します。
また、以下のように、動かした際に余計なパーツまで動いてしまう時は、ウェイトを調整する必要があります。
ウェイトの調整方法については、以下の記事の「1.5 ボーンのウェイトを調整する」をご覧ください。
いかがだったでしょうか。
Auto-Rig Proを使うと、手動では面倒なリギング作業を簡単に行うことができます。ぜひお試しください。