本記事では、モデリングをしたことがない人向けにBlenderの使い方と簡単なモデル作り、STYLYへアップロードするまでの一連の流れを紹介します。
前回の記事では
前回の記事では、モデルにボーンを入れる方法をご紹介しました。 二通りあります。以下の記事をご覧ください。
今回の記事でやること
今回は、ボーンを入れたオブジェクトにアニメーションをつけてSTYLYへアップロードするまでご説明します。

アニメーション例
準備
ボーンの名前
あとでSTYLYへアップロードする際に必要になるのと、アニメーションをつける際にわかりやすくするために、ボーンの名前を変更します。
編集モードもしくはポーズモードでボーンを選択した状態で、右下のパネルから骨のアイコンをクリックし、名前の書かれた箇所をダブルクリックするとボーンの名前を変更できます。
一つずつ選択して以下のようにボーンの名前を変えてください。
マスターボーンの設定
このままだと、アニメーションでキャラ全体を動かしたいときや回転させたいときに、すべてのボーンを動かさなければいけません。 なので、すべてのボーンを子にまとめた親のボーン、マスターボーンをつくります。 ボーンの編集モードで背骨の真ん中あたりのTipを選択し、[E]キーを押した直後に[Y]キーでY軸方向に骨を押しだします。
名前をMasterにし、ボーンタブの「Relations」にある「Parent」に設定されているボーンを、×を押すことで親子関係を解除します。
すべてのボーンをマスターの子にするので、上半身の骨の階層の一番上になっているSpine1、右足階層のトップのHip_L、左足階層のトップのHip_Rの親を、Masterに設定します。そうすることで、すべてのボーンがMasterの子になったので、ポーズモードでMasterを動かせばすべてのボーンが動いてくれます。
また、ボーンを選択してアーマチュアタブからDisplay Asで「Stick」を選ぶと、ボーン表示がスティックになるのでアニメーションをつけるときに見やすくなります。
作り方
アニメーションをつける
ここからアニメーションをつけていきます。
画面全体をみたときに下側にある部分がアニメーションのタイムラインになります。
タイムライン左にある「Playback」の一番上から同期モードを「AV-sync」にしておくと、Blender上でアニメーションさせたときに処理落ちが生じても、本来の速度で再生されます。
走る、歩くなど一つ一つのアニメーションをアクションとして登録し、アクションごとに管理します。 アクションの作成は、ドープシートで行います。画面左上から画面表示を「Dope Sheet」にします。
(上下で3D Viewportと画面分割)
このドープシートまたはタイムラインでポーズを作り、キーフレームを打っていきます。 ドープシートの「New」を選択します。
以下画像の①で名前を変更し、 ②盾のアイコンを押します。これを押すことでアニメーションが保存されます。 ③作成したアニメーションは③のプルダウンから選択できます。
今回は歩くアニメーションを例としてつくります! 最初のポーズを作成する前に、現在のフレームを1にしておきます。

現在のフレームを1フレームに
ボーンを選択し、ポーズモードに切り替え、ボーンを動かしてポーズをつくります。ここでは歩くモーションを作るので、歩いてる時のポーズをつくります。
ポーズができたら、[A]キーですべてのボーンを選択し、[I]キー→「LocRot」(Location + Rotation)を選択します。
これでキーフレームが登録されます。ドープシートには全部のボーンにキーフレームが付き、タイムラインには黄色い細い棒がキーフレームの位置に付きます。
すこし先のフレームを選択し、次のポーズを作ります。 歩くモーションの場合、先ほどのポーズの反対向きなので、最初のポーズを反転コピーしてつくれます。
ドープシートの一番上のキーフレーム「Summary」をクリックで選択します。選択したら、[Ctrl]+[C]でコピーし、少し先のフレームを選んで[Ctrl]+[Shift]+[V]を押します。 すると、ポーズが反転されてキーが打たれます。
そしてさらに少し先のフレーム位置に、一つ目のポーズをペーストします。今度は反転しないので、いつも通り[Ctrl]+[V]キーです。 タイムラインに戻り、終了フレームを最後のポーズのフレームに設定します。
それでは再生してみましょう。
アニメーションを確認して、変であればキーフレームの間にさらにキーフレームを付け足して細かくしてみたり、キーフレームを動かして速度の調節などをして納得のアニメーションを作ってください。
新しいアクションを追加したいときは、アクション名の横の×を押すと、そのアクションの編集が解除されるので「New」を押して新しいアクションを作ります。
モデルをSTYLYにアップロードしよう
モデルを書き出す
それでは、アニメーションを付けたモデルをSTYLYにアップロードしましょう。基本的には、Blenderから直接STYLYへアニメーションがついた状態でアップロードすることができます。
まず、モデルを書き出します。 ボーンとメッシュの両方を選択し、「File」→「Export」→「FBX」を選びます。
設定から「Selected Objects」をオンにし、「Armature」「Mesh」「Other」を[Shift]キーを押しながら選択します。「Bake Animation」タブの設定も、全部チェックが入っていることを確認します。
名前を決めてエクスポートします。
STYLYにアップロードする方法
3DモデルをSTYLYにアップロードしてみましょう。
アカウント作成方法
STYLYにアップロードする方法
UnityからSTYLYにアップロードする方法
(番外編)Unityを通す
BlenderからFBX形式で出力してそのままSTYLYにアップロードすることもできますが、Unityで何かしら手を加えたい場合もあるかと思います。
その場合のやり方をご紹介します。バージョンはUnity 2019.3.xです。
まずはSTYLYのUnity用プラグインをインポートします。STYLYのUnity用プラグインは以下からダウンロードできます。
インポートしたら、以下のウィンドウが出てくるのでメールアドレスとAPIキーを入力します。
先ほど書き出したモデルをAssetsに入れて、シーンに配置します。
Assets内のモデルファイルを選択して、インスペクターからRigのタブを開き、 Animation TypeをHumanoidにして「Apply」を押してから「Configure」をクリックします。
Configureをクリックするとボーン確認のシーンに切り替わります。すべて緑になっていたらそのまま「Done」を押して元のシーンに戻ります。
もし、どこかが赤くなっていたりしたらボーンを入れなおす必要があります。Unity上でボーンを回転させたりするだけで直ることもあるのでエラーメッセージで確認してみてください。Blender上でボーンの名前をちゃんと付けていないとエラーが出ます。
もとのシーンに戻ったら、Assetsにあるオブジェクトの中のアニメーションをシーンに配置したオブジェクトにドラッグ&ドロップします。
上のメニューから「Window」→「Animation」→「Animator」を開きヒエラルキーのモデルをクリックすると、先ほどドラッグ&ドロップしたアニメーションが入っています(オレンジ)。

Animatorウィンドウ
名前がなくて空白になっている場合は、ヒエラルキーウィンドウで名前を入力するとよいです。
今入れたアニメーションから、ほかにつくったアニメーションに移りたい場合はこのAnimatorウィンドウにほかのアニメーションをドラッグ&ドロップして、一つ目のアニメーションのオレンジの上で右クリック→「Make Transition」で次のアニメーションまで矢印を伸ばします。
ここでは歩くアニメーションにしたので、アニメーションをループさせるやり方を書きます。 Assetsにあるオブジェクトの中のアニメーションのインスペクタからEditをクリックします。
するとインスペクタが、そのアニメーションを編集できる状態に変わるので、その中の「Loop Time」にチェックを入れ、一番下の「Apply」をクリックします。
一度再生してみてアニメーションがループされればオッケーです。ループされないときはうまく反映されておらず、Loop Timeにチェックが入っていなかったりするのでもういちどEditで確認してみてください。
できたら、ヒエラルキーのオブジェクトをAssetsのなかにドラッグ&ドロップします。このことをプレハブ化といいます。
Assetsのプレハブ化したオブジェクトを選んで右クリックし、「STYLY」→「Upload prefab or scene to STYLY」を選択します。STYLYへのアップロードが始まり、Upload Succeededと書かれたウィンドウが出たらOKです。
STYLYに移りAssets→3D Model→My Modelsを開くと、先ほどアップロードしたアニメーション付きオブジェクトがあります。
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